スタッフブログ

2025.05.23

お客様との会話

こんばんは!

最近帰りが遅くなりがちなせいか、家に着くと子どもたちが玄関まで走って迎えにきてくれるのが嬉しい中桐です(#今だけですかね...笑)

 

さて、今日は先日初めてお会いしたお客様との会話で印象深かった話を少しご紹介。

その方は最近家づくりをスタートし当初は新築を考えられていたそうですが、最近の値上がりした新築価格の現実を知り新築は断念されたとのこと。

確かに近年の住宅価格の上昇率はすさまじく、同じような状況で躊躇されている方は多いのではないかと思います。そこで、でてくる選択肢をざっくり分けると次のようなパターンが考えられます。

 

①金額重視型住宅

コストを抑えた、性能そこそこのいわゆるローコスト住宅や企画住宅

②バランス重視型住宅

コストと性能のバランスに重きを置く

超性能住宅

コストは①②よりかかるが、生涯コストで捉えお金も体(健康)もプラスへ働く

性能向上リノベーション

実家や中古住宅をスケルトン化し、断熱や耐震、省エネレベルをコストを抑えて新築同等レベルまで引き上げる

戸建て以外

資産価値を考えアパート・マンションを購入

 

他にも賃貸や様子見など選択肢はあるでしょうが、弊社としては③と④に注力しています。

「②のバランス型がちょうどいいじゃん!」って思われた方も多いと思います。実際この選択肢が一番多い層だと思いますし、抵抗なく選びやすい枠とも言えます。

ただ、この「バランス」って言葉が意外と厄介で、なんとなくふんわりとした「いい感じの感覚値」をそのまま演出してしまうんですよね。便利な言葉ではありますが、本質をボケさせている感もあります。

高断熱・高気密・高耐震・省エネと今やどの会社も掲げ、住まい手側から見るとその違いがわかりにくい時代。つまり、ここでは「バランス=イニシャルコストとの兼ね合い」がほとんどの意味になっている気がします。

もう少し言えば「今だけ、金だけ、自分だけ」的な発想が潜んでいることも。

誤解なきようお伝えすると、バランスはもちろん大事です。

生涯やその先を考えた、ロングスパンでのバランスに重きをおきたいですね。

  

前置きが長くなりました(笑)

そのお客様は、ご自身でとても熱心に勉強されていて、YouTubeやネット検索、リアルでも住宅展示場や見学会に参加し担当者へ質問をしたり、見解を尋ねたりされていたそうです。

「いろんな会社を回りましたが、ここまでしっかり答えてくれたのは久しぶりです。」と言っていただきました。(#素直に嬉しいですね)断熱や耐震など技術的なご質問もされましたが、例えば耐震についての質問はこんな質問。

 

Q:「リノベーションした家は評点1.5の耐震等級3相当と書かれていますが、耐震等級3とは言えないのですか?」

素晴らしいご質問ですよね。こういった質問は正直あまり出てきません。特に地震被害が比較的少なかったここ岡山では。(#一般の方からこの感じで質問がくると個人的にはすごく嬉しくなります)

 

私の回答としては、 

A:「リノベの場合はどうしても基礎構造など、既存を引き継ぐ部分も多い為、(必要箇所は補強します)新築のように一から構造計算(許容応力度計算)にかけて、耐震等級3を取得するという方法は基本的にはできません。あくまでも、専用の評価基準に従って計算した上で、補強し評点(耐震性)を引き上げるという形になります。評点1.5というのは耐震等級3相当としか表現できないため、そういった言い方になります。ただし新築でこの「相当」を使われていたら要注意です。」

このあたりの少し専門的な話しも真剣に聞いていただけました。

 

そして何より印象深かったのはこの後です。

「結局住宅展示場でどんなに製品のデザイン性や機能をアピールされても、その家がこの先、将来遺っていけるのか、遺していけるのかが聞きたいのに、ピントがずれているというか、そこに答えてくれる人って少ないんですよね。」

(#言い方は違ったかもだけどこのような趣旨のことを言われていました)

「まさに!」と思いましたし、つい「そうなんです!」とテンションが上がってしまいました(笑)

こんな想いを持って家づくりを考えている方が実際にいる。

まだ答えは見えていなくても、真っ直ぐに向き合おうとしている。

その姿に、私達が取り組んでいることのその先、未来への小さな光が見えたような、そんな良き日でした。

 

そんな家づくりの日常のお話。

今日も一日お疲れ様でした!(#今回は写真なし)